システムに最適な動作や情報の並び順、スコアリングなどを実現させるには、アルゴリズム(データ加工手順書)の設計をビジネス目的とデータサイエンスの両方に基づいて行うことが欠かせません。

アルゴリズムとは

データ分析は、ある時点でのデータセットに対して様々な角度から検討を加えることを言いますが、実際の事業では、ビジネスに関わるデータは常時更新され続けています。

  • 例えば、顧客が来訪したときに、その顧客に最適な接客や提案を行うために、過去の購買履歴データに基づいてその顧客のタイプやランクを算出する。
  • 例えば、多店舗展開している企業が、各店舗の日々の仕入れ量を各店長が決めるが、需要と共有の予測式に基づいて自動的に計算して、推奨する仕入れ量を提示する。
  • 例えば、製造や物流の分野で、最適な生産量・輸送量を決めるために、完全に自動計算にしてしまうと例外時の対応ができないので、責任者が判断できるように需要量に基づくシミュレーションの仕組みを導入する。

こういった場面では、実際に動作するシステムのソフトウェアプログラミングはシステム開発会社に発注するなり社内の開発部門に発注するなりするにせよ、効果の成否を大きく左右するのは、計算手順をしっかりと組み立てられるかにかかっています。

こういった計算手順は「アルゴリズム」と呼ばれています。アルゴリズムの設計には当然ながら、数理的な構造を設計する能力、パラメーター決定のためにデータ分析を理解する能力など、数学・情報科学の知識・能力が必要です。同時に、何を目的に使用するのか、成功を測る指標として何を最大化すべきか、というビジネス構造理解もなければ、数学的にはきれいだけれど実際には役に立たないものにもなりがちです。

構成例

目的に応じて必要なもの、また社内で持たれている人的リソースなども勘案して、弊社からの提供範囲、役割分担を選択できます。

  • 「アルゴリズムの概念設計」を担当するケース
    社内等のソフトウェアエンジニアが別途コーディングを行われる場合で、ある程度の数学的な理解も可能であれば、概念的なレベルでの手順の組み立て方を設計し、その数学的・空間的な設計思想などを解説して、コードへの落とし込みを可能にする程度に教授するスタイルを取ることができます。
  • 「アルゴリズムの詳細手順書」まで担当するケース
    社内等のソフトウェアエンジニアが社内等で別途コーディングを行われる場合で、詳細な計算手順を指定されてプログラミングを進めることが望ましい場合は、アルゴリズムの概念設計に加えて、アルゴリズムで実施する具体的なデータ加工作業や計算式をステップごとに書き出した計算手順書(テキスト・数式まじりの数百行程度の文書)を納品物として作成します。コーディングに用いるプログラミング言語・環境等は、社内で用いられているものを使って実装していただくことができます。
  • 「アルゴリズムの計算コード」まで担当するケース
    社内等のソフトウェアエンジニアが当該のデータ処理部分には全く参加されない場合には、計算の入力値として使用するインプット形式、計算結果を出力するアウトプットデータ形式をそれぞれ指定いただき、その間の処理を記述するコードを作成したものを納品物とします。
  • 共同開発によって社内経験蓄積も行うケース
    アルゴリズムの設計を丸ごと任せてしまうのではなく、社内のスタッフも参加して一緒に議論を深めながら作っていくこともできます。設計の選択肢とそのメリットとデメリット、実装に必要なリソース、新たに取得すべきデータなどを議論しつつ、統計的手法とその概念の解説なども交えながら進められます。共同で開発の議論に参加する経験を通して、社内のスタッフにも経験・知見を育てることを期待できます。
サービス提供までの流れ
  • 状況確認・手法選定
    ご連絡いただければ、まず現況を伺います。目指す事業目的、社内で担当可能なリソース、育成ニーズ等
  • 作業設計
    期待成果物、所要期間、費用、役割分担などを提示し、社内承認等をいただければ実際の作業に入ります。
    (初回取引時には必要に応じてNDA等取り交わし)
  • アルゴリズム構築
    必要とされるアルゴリズムの概念的な組み立てを行います。
    数理的な構造の設計、パラメーターの設定方法などを、議論を通して固めていく、またはたたき台を提示して確認いただくなど、打ち合わせを必要に応じて重ねながら大枠を固めていきます。
    アルゴリズムの中で使用する統計・数理概念は、議論の中で適宜解説を行います。
    概念設計やパラメーターの設定方法決定のためにデータ分析が必要となる場合には、データを提供いただいて必要な解析作業を行います。(数週間程度)
  • 詳細作成作業
    成果物として計算手順書を必要とされる場合やコードを必要とされる場合には、大枠の手順が固まったのち、ステップごとの具体的な計算手順を実際に細部に至るまで作成していきます。
    実際のデータ加工手順では、数学的概念を計算手順に書き起こす作業、様々な例外処理を入れる作業など、詳細な作業が発生します。(数週間程度)
    サンプルデータが入手可能な場合は、実際にサンプルデータを用いて計算手順とその結果の検証を行うこともできます。
  • 成果納品物
    最終的に、当初に決めていた成果物の設定に従い、計算手順書やコードなどの電子ファイルを納品物として提供します。
実績例
  • 製造小売企業
    マーケ戦略策定のために顧客クラスタマップを作成。各顧客クラスタに対してターゲティング商品企画・プロモーション企画・CRMアプローチを設計したところ、それらを顧客ごとに出し分けて届けるため、ウェブサイト・リアル店舗に来訪した顧客をその場で分類して判定するためのアルゴリズムを作成。
  • ヘルスケア事業
    多数のユーザーの情報を元に、健康のリスクを左右する要素を分析し、指数化する計算式を作成。個々のユーザーに対して表示する可視化表現を検討。
  • その他多数
コンタクト

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