#03 因果関係を見抜く / 3. ビジネス上のキーポイント: 原因と結果の落とし穴

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《ビジネス×サイエンス》
#03 因果関係を見抜く

   ■ 0. 「ビジネス×サイエンス」の背景
   ■ 1. <導入> 「データいじり」を乗り越える
   ■ 2. <ビジネス編(前)> ビジネスケーススタディ: データが結論を導くとき
   ■ 3. <ビジネス編(後)> ビジネス上のキーポイント: 原因と結果の落とし穴 (このページ)
   ■ 4. <サイエンス編(前)> 因果関係の定義: ホンモノとニセモノ
   ■ 5. <サイエンス編(後)> 定量的手法: 因果関係を数字で測る
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■3. <ビジネス編(後)> ビジネス上のキーポイント: 原因と結果の落とし穴

「データいじり」のレベルを越えて、「羅針盤」となる経営方針の示唆を得られるのはどのようなときか――。「因果関係」がそのカギになることをここまで見てきました。とはいっても、「原因と結果」なんて、そんなの当たり前だし簡単じゃないかと思われるかもしれません。ですが、甘く見ているとそれほど簡単なものでもないのです。

 

『原因と結果なんて、そもそもビジネスとは常に結果を求めるものなんだし、特に意識してないときでも普段から考えてるよ。』

そう考える人もいます。そんな人も実際には、因果関係ではないものをすっかり信じ込んでいることが少なくありません。特に多いのは、単なる願望と混同してしまっている場合です。例えばTVCMを作る時、広告代理店の営業マンの言うままに「ターゲット層のタレント好感度」で決めてしまってはいないでしょうか。顧客が「願望」として望むものと、結果として購入行動をもたらすものは同じではありません。

 

『数学はやっぱり苦手だし、餅は餅屋で、データ分析が得意な人材とか専門会社に任せるに限る。』

そう考えている人もいます。そうすると、発注先からは、重回帰分析にt検定、ANOVAなど聞き慣れない言葉が並んだレポートが出てくることでしょう。ですが、数学や統計が得意なだけの人々が必死に頭をひねって出してくるレポートで、的を得ているものを見るのは残念ながらごく稀です。それで結局、「なんだ、データ分析って役に立たないじゃないか」と考えるようになってしまうか、もしくはもっと悪いことに、的外れな結論をそのまま実行に移して市場で不利な立場に陥った例も少なくありません。

 

『因果関係といえば、取りあえず企業間、ブランド間で比較させて相関係数を取ればいいんだよね。』

そう一つ覚えに自信満々に使い回している人もいます。実際には、同じ手法を使い回して済ませられるほど、世の中の多種多様なビジネスは単純ではありません。一つの手法を暗記して信じ込むのは、全く場違いなケースで裸の王様を演じていることに自分でも気づけない、とても恥ずかしい結果を招きます。

 

「原因と結果」が持つ難しさは、なにも数学的な手法の話だけではありません。「因果関係を数値化するために相関係数を計算する。でも相関関係は必ずしも因果関係を意味しない。」といった数学・論理の話も次ページ以降で触れましょう。ですが、その前にビジネスではもっと大事なことがあるのです。

 

■3.1 「目的」が全てを決める

「因果関係」と言うからには、まずは仮の「原因」候補と「結果」候補をいくつか考えたうえで、どの「原因」候補と「結果」候補との間に本当に因果関係があるかを探ることになります。「原因」候補と「結果」候補は、待っていればどこからともなく統計マジックで出てくるのではなく、その事業ならではのセンスに頼って組み立てなければなりません。

ビジネスの場面の大半では、「原因」=「手段」、「結果」=「目的」と言い換えてもいいでしょう。つまり、求めたい「原因と結果」は「どんなアクションを実行すれば結果として目的を達成することが出来るか」、というわけです。例えば、「消費者が自社製品を買ってくれる」ためには何をすればよいか。「従業員の労働生産性が向上する」ためには何をすればよいか。あるいは「目的」の逆で、「顧客が自社製品で不快な思いをする」ことを避けるには何をすればよいか。

「結果=目的」には達成したいことが、そして「原因=手段」にはそのための原因候補リストが入ることになります。では、羅針盤の指針を導く上で、成否を分ける最も重要な設計はどの部分でしょうか。

実際の具体的な相談の中でこういった話をしていると、圧倒的に多くの人は、原因候補リストをきちんと準備できるかを心配されます。「自分たちの先入観で見落としていることはないだろうか?」、「発想が偏ってる心配はないだろうか?」、「有用性が実証済みのリストは手に入らないだろうか?」。そこで、定型化した市場分析パッケージだということにして、「原因候補リストを整理して作れるフレームワークをうちは持ってますよ」を一番の売り文句に営業しているような会社もあるほどです。

「原因=手段」として考えられる要素は多種多様に及びますから、この原因候補リストの作り方を重視するのは間違っていないようにも思えます。ですが、筆者自身多くのケースを実際に見ていると、「原因=手段」側の出来不出来よりもむしろ、「結果=目的」側をきちんと考えられているかこそが決定的に重要だと考えるようになりました。

「原因候補リスト」のフレームワークといったものは確かに安心材料になるかもしれません。ですが、それで数千万円のフィーを正当化しているような営業マンを信用していると、「結果=目的」の思考が欠落していて全く的外れな結論にたどり着くことも少なくないのです。

いくつかのケースを通して、この「結果=目的」と「原因=手段」の構造をさらに解き明かしていきましょう。

 

・ケース1:新規市場

一つ目の例として、新規参入が相次ぐ新しい市場への参入を考えるとき。例えば、新空港が開業した時の新しい航空路線、グルーポン社が作り出したクーポン事業、あるいはDeNA社・グリー社が作り出したソーシャルゲーム事業。

マーケティング・ブランド戦略を考える場合には、その業界の数社のブランドを提示して評価を求め、それと各ブランドの選好度との相関係数を取ればいい。そうやって手法を鵜呑みにしていて、そのまま適用しようとしているケースも見かけます。

図:この場合の分析設計

図:この場合のアウトプット

 

こういったケースで、『コンサルティング会社に頼んだらこういう案が出てきたんだけど、何か違う気がする・・・』と相談を受けて、考え違いがどこにあるかをご指摘しました。

新規市場では、新商品を買ったことがある人も、新商品を提供しているブランド名を知っていることがある人も、市場全体で見ればまだごくわずかしかいません。ですから、新商品を提供する数社のブランドを提示して評価を求める手法は機能しません。このまま2ヶ月のプロジェクトにしていたら、意味のある結果は全く得られず、でもコンサルティング会社として高額のフィーを受け取っている手前、結論を出さない訳にもいかず、最終週に必死に考えたこじつけが最終形になる、そんな無残な例になっていたはずです。

ではどうすればよいか。「目的」に立ち帰って考えましょう。

まず、「目的」が、新規プレイヤー内での市場シェア確保の場合。先の例で言えば、新空港を使う他の航空会社に勝ちたい場合、他の新規クーポン会社に勝ちたい場合、他のソーシャルゲーム会社に勝ちたい場合。そのときは、消費者に、各社の提供サービスを仮のイメージとして提示し、それに対する評価を収集することで、まだ起こっていない未来の「因果関係」をシミュレーション上で検証するのが最適な設計でしょう。仮の状況を作り出して提示する部分がなければ、もちろんこの設計は全く成り立ちません。

図:この場合のパターン

一方、「目的」が、伝統的な既存プレイヤーからの市場の奪取の場合。先の例で言えば、航空会社が「鉄道・バス・フェリー」から客を奪う場合、「クーポンは使わずに普通にレストランを予約している人」から客を獲得する場合、「モバイルのソーシャルゲームではなくゲーム専用機で個人で遊んでいる人」から客を獲得する場合。そのときは、新規プレイヤー同士を比較した時の「選択の原因」を知っても何の意味もありません。そうではなく、新サービスと旧サービスを比較し、その選択の原因を知るべきなのです。

図:この場合のパターン

いずれにしても、「目的」が定まれば設計は自ずと決まってきます。「目的」は何かを自分の頭で考えていたなら、この例で最初に相談を受けた時のような全く使いものにならない設計を提案することはあり得なかったはずです。

 

・ケース2:ロイヤルティプログラム

二つ目の例として、ロイヤルティプログラムの刷新・強化を考える場合。例えば、家電小売や食品スーパーのポイントカード、航空会社のFFP(マイレージ制度)の会員ステージの仕組みなどです。

ロイヤルティプログラムの担当者としては、競合他社よりも良いサービスを提供できているかが常に気になるところです。競合他社がサービス拡充の予告を発表すると、その影響が気になって仕方がないということもあるでしょう。

その意識のままに、通常のマーケット分析の発想で、「どんなプログラムなら普段使う会社を乗り換えるか」を考えがちです。自社・他社のロイヤルティプログラムの内容を提示し、回答者がどの項目を評価するかの情報と、回答者が実際に利用するブランドを調べ、その間の因果関係を導くわけです。

図:この場合の設計

(分析レポートは同様に相関係数を計算)

 

こういったケースで、コンサルティング会社に勤める友人から、『こういう設計で進めてたんだけど、どうも結果に納得感がなくてお客さんに持っていけない・・・』と相談を受けました。

何が間違いだったか、ここでも「目的」に立ち帰ってみましょう。

もし、「目的」を「他社から顧客を獲得すること」に置く場合、そのときは、顧客が普段使う会社を選ぶ「原因」は、ロイヤルティプログラムの質だけではありません。家電小売であれば品揃え、価格、接客など。航空会社であれば運航路線、快適性、価格など、多岐に渡るはずです。ロイヤルティプログラムだけを「原因」候補として因果関係を推定しようにも、顧客の選択に大きな影響を与えるその他の多数の要素に攪乱されて適切な結論は導けません。設計自体を、ロイヤルティプログラム以外の要素にも広げてやり直すべきです。

あるいはもし、そうではなく、「ロイヤルティプログラムの刷新」に検討範囲を限定するのであれば、「目的」は他社からの顧客獲得ではなく、第一義的には「既存顧客の継続利用意向を高めること」と考えるべきでした。もちろん、それによって長期的には他社からの流入が増えることも期待するわけですが、それが第一順位ではないはずです。

図:異なる目的に対しては設計も異なる

後者の目的であれば、比較するべきなのは「自社の現状プログラム」対「いくつかの改良プログラム案」だと考えるべきです。他社プログラムを比較対象にしても意味がありません。具体的には、自社の現状プログラムと各改良案を提示し、それぞれが「大切にされている」、「実益がある」、「もっと使いたい」など心理的な軸で評価されているかを調べ、それらと継続利用意向の強さとの相関関係を調べ、それをもとに最適なプログラムを設計する、という計画であればうまくいくでしょう。あるいは、機能面を重視するのであれば、コンジョイント分析の手法を使って、改良プログラムの設定を細かく変化させて最適なプログラムを探す方法もあります。

図:心理的な軸を間に挟むパターン

この例では、相談を受けたタイミングでは半ば手遅れで、調査設計から実施まで進んでしまっていたものを工夫してなんとかやり過ごすことしか出来ませんでした。最初の設計段階で「目的」を的確に定められているかどうかが全てを決めてしまい、後から取り戻しようもないのです。

 

二つの例に共通していたのは、「結果=目的」の設定をきちんと決めれば全体設計が自然と導かれることでした。「目的」が定まれば、何を「比較主体」とすればその目的を導けるかが決まります。そうすれば、「比較主体」はどのような母集団の中で考えるべきか、そして「比較主体」の特性を決めている「原因=手段」はどんな範囲・バランスで考えるべきかが自然と導かれるのです。

図:原因因子、比較主体、結果の関係

このように「目的」を何に定めるかはとてもシンプルな議論ですから、こんなところで自分はつまづくことはないと思われるかもしれません。ですが、日夜考えている業界のこととなると、頭脳明晰な人でもいつのまにか目的を見失っていることが案外多いものです。ましてや、頭の回転が速いことだけが取り柄の統計オタク集団に任せていても「目的」をきちんと定められるわけがありません。統計手法どうこう以前に、大局観を持つ意思決定者や有能な戦略家がきちんと指針を定めれられるかどうかが、情報をゴミにしてしまうか企業の羅針盤にできるかの分かれ道なのです。

 

■3.2 客観的観察で「無意識」に迫る

『顧客が「願望」として望むものと、結果として購入行動をもたらすものは同じではない。顧客の願望ではなく、客観的な因果関係を見るべし。』

ここまでそう書いてきました。『いやいや、ビジネスはお客様の気持ちに真摯に向き合ってなんぼだろ!』、そう考えられた方もいらっしゃることと思います。これは両立しないものなのでしょうか。

 

古典的な心理学では、人間の心理のうち自分自身で認識している世界は、氷山の水面上に出ている部分のようなものだと言われます。氷山は全体の9割が水面下に沈んでおり、海面上で見える部分は全体の1割でしかありません。

図:氷山

顧客・消費者が必要としているものを本当に知ろうにも、アンケート調査で「願望」として表に出てくるものはこの「氷山の水面上の1割」でしかないのです。インタビューをしても議事録に残るのは「1割の意識」の部分だけで、残りの「9割の無意識」は話をしている時に見せるふとした仕草や表情から感じ取ることくらいしか出来ません。

心理学の祖、フロイトやユングは、夢や民話に断片的に表出してくる要素を丹念に調べ上げることで、この「氷山の水面下の9割」、本人も認識していない無意識の世界に迫ろうとしたのでした。

ビジョナリーと呼ばれるほどの本当に優れた事業家は、消費者も自分自身で気づいていない「氷山の水面下」を見抜いてそれを形にしてみせるからこそ、はたから見ると魔術師のように見えるのだと思います。

 

「因果関係」を見抜く技術がその力を端的に発揮する場面は、この「無意識」の探索こそにあります。

例えば、婚活に悩むアラサー女性。

「タイプはどんな人?」と聞くと、「自分のタイプは、穏やかで誠実な人。学歴もそこそこで、家族との関係も良くて・・・」と答えます。そのタイプに合った人を友達から紹介されますが、いつもうまくいきません。

そこで、「タイプはどんな人?」と聞く代わりに、「今まで好きになった人の共通点は何か思いつかない?」と聞いてみます。そうすると、「そういえば毎回、背が高くてちょっと強引な人だった」、あるいは「普段は頼りないけどこだわりは持ってる人だった」といった答えが返ってきます。「タイプだ」と自分で思っている人物像と同じ答えを返す人はあまりいないものです。

図:本人が認識している願望、認識していない因果関係

そう、この「因果関係」の中にこそ、本人が自分自身で認識していない「無意識」まで含めた情報が入っているのです。

 

これと同じ構図は、ビジネスの場でもそこかしこに存在します。

銀行。どの銀行を預金先や借入先に選ぶか、何を理由に選んでいるでしょうか。直接質問すると、「金利がお得」、「ATMの手数料が安い」、「経営破綻することがなさそう」などの要素は強く認識されていることが多いものです。一方、本人の意識は少ないながら、「この銀行を使ってると自分がしっかりした人に思えてくる」、「取引先からの信頼にも効きそう」、もっと無意識なレベルで「子供の頃に家に通帳があった記憶が残っている」、「この前応対してくれた人の笑顔が気持ちよかった」といった要素も選択行動に影響を与えているはずです。

航空会社。エコノミークラスの数倍の値段のビジネスクラスを利用する理由は何でしょうか。インタビューで直接質問すると、「席が広くてぐっすり眠れる」、「ご飯がおいしい」、「優先搭乗で並ばずに乗れる」などと語ります。一方、無意識に影響を受けている理由として「自分がかっこいいビジネスパーソンになったような気がしてくる」、「騒がしい観光客と接する機会が少なくてほっとする」、「荷物制限だとか細かいことでトラブルにならなさそうで不安が少ない」などが挙げられます。これらを丁寧に理解することが、本当に顧客が満足するサービスを生むはずです。

玩具メーカー。幼児向けのおもちゃを購入している親は何を理由に選んでいるでしょうか。直接質問すると、「安心して遊ばせられる」、「教育効果がありそう」、「子供達の間ではやっている」などと語ります。一方、無意識に影響を受けている理由、「これを買っているときっといい親だとご近所さんに思われる」、「自分も小さい頃に遊んでいた記憶が残っている」、「子供が夢中になってくれて自分の時間が取れる」などを考えると製品の作り方も売り方も大きく変わってきます。

人材採用。就職・転職する企業を選ぶ理由は何でしょうか。直接質問すると、「自分のやりたいことを実現できる」、「給与・福利厚生の水準が良い」、「ワークライフバランスが良い」などがよく語られるものです。一方、無意識には、「自分がきちんと評価されたと思えて自信が持ててくる」、「明るくて頑張ってる人というイメージを友達に持ってもらえそう」、「自分の夢から離れてはいないんだと自分を納得させられる」といった心理が働いているものです。

 

「因果関係」という思考の道具はいわば、この「意識と無意識」という氷山の薄暗い水面下を探るプローブ(探針)です。

「原因/手段」が「心理」を惹き起こし、それが「結果/目的」を生じさせる。例えばマーケティング分野であれば主な要素は以下のようになるでしょう。この3者の間の関係を「因果関係」というプローブを使って探るのです。

図:顧客の心理と企業の行動

この3者の関係を探るためにすべき質問は『あなたはどんな商品が欲しいですか?』と単なる「願望」を聞く浅い問いではもちろんありません。

「原因/手段」については、『商品についてどんな情報を見聞きしましたか?』『お店ではどんな接客を受けましたか?』。

「心理」については、感情レベルの『この商品にどんな印象を抱きましたか?』、理性レベルの『購入した時、最も重視したのは何でしたか?』。

「結果/目的」については、『この商品を知っていましたか?』『どのお店に行きましたか?』『友人に勧めましたか?』。

全て過去形の質問文です。このようにして客観的な情報を集めたうえで、どれとどれの間に因果関係があるのかを解き明かしていくのです。

 

このような洞察を使って企業の指針を描き出すために必要なのは、「原因/手段」「心理」「結果/目的」を総合して考えられる事業家のセンスと、客観的な観察眼で本質を読み取る思考家のセンス、その二つの掛け合わせだと言えるでしょう。

これは、統計の知識があるだけのデータいじり屋に任せていて望めるものでないのは明らかです。すぐにシステムの要件定義書を考え始めるITベンダーやITコンサルタントも程遠い存在です。論点整理が大好きな経営コンサルタントに任せていても本質に迫れることは滅多にありません。タレントの好感度や有名クリエイターばかり見ている広告屋に任せていてもたまにしか当たらない運任せでしょう。

 

「目的は何か」、そして、「顧客は何を思っているか」。

この2つの問いはまさに、事業を創造し営む者にとっては、日々直視し続け考え続けていることそれ自体であるはずです。これらは、論理やデータから単純に外的に導かれるものではなく、「志」、経営の意志そのものだと言ってもよいでしょう。科学的思考をビジネスに適用する前提として現れた2つの問いは、ビジネスの核心を必然的に指し示しているのです。

 

さて、ここまで「因果関係」のビジネスの側面を見てきましたが、客観的な概念として「因果関係」とはそもそも何か、ということ自体、実はそう簡単でもないのです。次ページでは、<サイエンス編>として、因果関係とはそもそも何なのか、そして因果関係だと勘違いする「ニセモノの因果関係」について見ていきます。

>>4. <サイエンス編(前)> 因果関係の定義: ホンモノとニセモノ

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#03 因果関係を見抜く

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   ■ 1. <導入> 「データいじり」を乗り越える
   ■ 2. <ビジネス編(前)> ビジネスケーススタディ: データが結論を導くとき
   ■ 3. <ビジネス編(後)> ビジネス上のキーポイント: 原因と結果の落とし穴 (このページ)
   ■ 4. <サイエンス編(前)> 因果関係の定義: ホンモノとニセモノ
   ■ 5. <サイエンス編(後)> 定量的手法: 因果関係を数字で測る
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